「え………?」 そっと彼に近づくと 「寝てる……?」 私がそう呟くと 彼はパチリと目を開いた。 「遅かったな。」 「もしかして…待っててくれた?」 「ばーか。そんなわけねーだろ。だってもう、暗いじゃん。」 でも……… そのまま帰っていれば まだ全然明るかったよね…? ねえ、 それって 『待っててくれた』 って思ってもいいよね……? そんなの……… うぬぼれちゃうよ? 「帰るぞ。」 そういって 差し出されたてのひらが ぽかぽかとあたたかかった。