聞き違えるはずのない声。



「ちょっと!!勝手に見ないでよ!!」



トクリと跳ねた心臓を押さえつけて



私はそう反論する。




「見えるように持ってるお前が悪いもんねー!」




なんて言って



彼はペロっと舌をだす。





……そんなことにさえ、ドキッとしちゃう私は


かなりの重症だ。



「そ、そういうあんたは何点だったのよ!?」



照れ隠しとはいえ……


かわいくないなあ、私………


「え?俺?98ー!学年トップー!!」


「わぁ、うざい。」


「酷くね?!」


いつも通りの言い合い。


だけど今日は


いつもより


胸が痛んだ。


…織姫と彦星だって

一年に一度は逢えるのに




なんで私の想いは



いつまでたっても


彼の想いと逢えないんだろう………