今日は9月14日
『昨日、田中伊織が長州の者によって斬殺された』
その話題が、新選組に広がっている。
田中伊織
水戸派の隊士で、平隊士の中ではかなり腕の立つ者だった。
‥‥‥昨日、殺された隊士。
「隊長、情報操作は完璧でしたわ。事情を知らない新選組の誰もが、長州の仕業だと思っていますわ」
「当然だよ」
田中伊織を殺したのは‥‥‥近藤さん。
当たり前と言えば当たり前だ。
僕がそうさせたんだから。
「簡単な仕事だったなぁ」
「隊長?」
任された仕事は、何もかも上手くいく。
怪我も治ってきたし、また暇になる。
「早くコウさん達来ないかなぁ。立も会いたいでしょ?」
「当たり前ですわ。とりあえず、聞きたいことが沢山あるんですの」
「1番聞きたいのは?」
「クラウンの居場所でしょうか」
「だよね。こっちに来てるか来てないかだけでも知りたいよ」
あーつまんないなぁ。
何か刺激が無いっていうか、よくわからないけど。
つまんないんだよなぁ。
そりゃあ、僕は立みたいに沢山仕事任されてるわけじゃないけどさぁ。
「‥‥‥やっぱり簡単すぎる」
「何がですか?」
「暇、暇、ちょー暇。暇が売れたらひと稼ぎできる自信はあるね」
「そうですか?隊長は家事もしてますし、そこまで暇じゃないと思いますけど‥‥‥」
「簡単過ぎるんだよ。何もかも」