16歳の夏休み。

私(りこ)は真っ黒だったロングの髪の毛を
明るい茶色にし、化粧もしてみた。

自分じゃない人が鏡の前にいた。

ドキドキが止まらなかった。

いわゆる高校デビュー。

中学生の時は学級委員長を務め
眉毛も剃ったことはない。

スカートもちゃんと膝下だし
先生にとても可愛がられていた。

成績もトップではないが優秀。
数学の問題を解くのが好きだった。

私は一人っ子で
両親は自慢の娘だと言ってくれた。

我慢していたつもりはない。

優等生と言われるのも好きだったし
行きたい高校に推薦入学で入った。


かなりの変身を遂げた私は
2学期の始まりみんなを驚かせようと
ワクワクして扉を開けた。

「えー!りこ!どうしたの!?」
「可愛いよー!」
「めっちゃ似合う!」

みんな大袈裟なくらい褒めてくれた。
1年生のクラスはみんな仲良し。
担任の先生も面白いイケてるおじさん。

毎日が楽しかった。