すでに恋は始まっていた

ガタン!


「ちょっと、今の話本当なの?」


いきなりクラスの女子が叫んだ。


多分盗み聞きしてたんだと思う。


(確かこいつ、学級委員だっけ?でもタチ悪いって有名だったような…)


葉月の顔がみるみる青くなっている。


《私がこの話題を持ち出したから…》


「日菜…まずいよ」


「…ごめんね」


学級委員は私達の目の前まできた。


大声を出したせいでクラスのみんながこっちに注目している。


こんな中で秘密をばらすわけにはいかない。


でも、言い逃れもできなさそうだ。


「夢咲さん、心が読めるの?」


「だったら何?別にあんたには関係ないでしょ」