「相変わらず化物じみた強さだな。だが、これなら……ど……」 どうやらボスは俺を人質にでもとって、形勢逆転しようとしたらしいが、甘い考えだったようだ。 ボスが俺を掴むよりも早く、楓の手刀がボスに叩き込まれた。 「朔、大丈夫?」 気絶するスーツ男とボスをほったらかしに、楓が猿轡と縄を解いてくれる。 「全然平気。助けてくれてありがとう」 「いい。わたしは朔のSP。朔を守るのが役目だから。なのに」 「いででで。痛ぇよ、楓」 ムスッと可愛らしく頬を膨らませた楓が俺の頬をギュッと抓った。