青空の下月夜に舞う 2

流れる沈黙。

日本人だか、外国人だか分からない人が歌う、英語の独特なリズム。


暗くもなく、かと言って陽気ではない。

穏やかとはほど遠いけど、何故か悲しい音楽に聞こえるのは、私がさゆりさんに同情しているのか。


お母さんが、彼氏を連れて帰ってきて、“あの”声を聞く、なんて。

少なくとも私には経験がない。


さゆりさんの事を想っても、理解しようにも出来ないのが当たり前。

だから。


「ババア家じゃなくて男の家行きゃいいのに、出来ないのは……」

「さゆりさん」


もしかしたら、話したくない内容で。
私が早く寝れば良かったのに、できなかったから。
言い訳する様に、こんなにお母さんの話をさせているのかもしれない、と。そう思ったから。

私は言葉を遮った。


それが不快なら、さゆりさんは、はっきり言うだろうと思って。