「あひ、や、ははははっ!ヤバイ、もう、ダメだって……ひゃひゃはは!」

「仕掛けたのはお前だろ」





攻撃の手は緩められる事はなく、もう全身がくすぐったくなった様に笑い声を上げる。



何も考えてなかった。


それぐらい静かで。


響き渡る、自分の笑い声に、“音”が、かきけされていたのか。



私が響にちょっかいかけていなければ、異変に気付けていたかもしれないのに。


この時私は、数秒後背筋が凍る思いをするなんて、想像すらしていなかった。



静かに。開かれた扉にさえ、気が付かなかった。