「そ。じゃあ、取り合えず消えて?」
え。
慶太郎の右側に立ち、話していた男に、いきなり横から顔面に拳を当てた。
「がっ!!……っは、」
鼻に見事クリーンヒット。
離れた拳。そして。言葉にならない男の声。
「何人の顔見てビビってんだよ。消えろ」
鋭い眼光が放たれ、左フックがもう一発脇腹に入った。
「……ふ!!~~~」
周りに居る仲間らしき男は五人も居るのに。
誰一人動かない。
……私も。その一人だ。
慶太郎が何で殴ったのかさえ分からない。
話の内容から、慶太郎を怯えたから?
でも、それだけで普通は。
左フックが相当痛かったのか、その場に蹲る男。
更に。
「死ねよ」
右の足を使い、下から蹴りあげるであろう姿が。
まるでスローモーションの様に見えた。

