「気持ちいいだろー?」
そんな私に気付いたのか、周りの音で声が聞き取り辛い中、声を張り慶太郎が私に問う。
……不覚にも。
綺麗だと思ってしまった。
一瞬、異世界に来たのかと思える様な感覚。
「手、離してみ?大分慣れただろ?後ろにも持つとこあるよ。今スピード絶対出さねえから」
その声に、恐る恐る手を離し、後ろを探る。
すると、太ももの後ろに、細い鉄の感覚。
「手離しててもいいよ~。飛ばす時言うから!」
「……まだ無理」
「あははは!」
私達の前を数台のバイクが追い越し、無理矢理車を止める。
その間を響と慶太郎が先頭になり、走り抜ける。

