「ごめんなさい……っ」
握った拳が。
手に食い込んで、悔しい気持ちをまぎらわせた。
その後は、雄大が私をからかいすぎたから。と。
お母さんに必死に話してくれて、私は部屋へと上がり、事なきを得た。
高校に入った雄大は、バスケ部には入らず、夕方帰ってきて、夜遊びに行く事が増えた。
寛大なお父さんは、夜遊びをしても、成績は落とさない雄大を特に叱る事はなく。
雄大に抱かれるのは、真夜中に帰宅した雄大がたまに部屋に入ってくる時だけ。
必死に声も、呼吸も潜めて。
自分は人形の様だ、と。
流す涙と一緒に、記憶が無くなればいいのに、と。
何度思ったか。

