――コト。コト。コト。
知恵さんがお皿を並べる音が聞こえる。
テレビは見てるけど、正直頭には入ってこない。
そして。
「麻衣が食べ終わったら、部屋ノックして。私食べるから」
「……はい」
食事の用意が出来たのだろう。
“私とは食べたくない”と。
被害妄想じゃないと思う。
そんな意味が込められている事。何年経っても慣れない。
私の目の前を通り、リビングの扉を開けた知恵さんは
「先に食べていいよ、ぐらい言えないのかしら。本当、可愛くないわね」
言い捨てる様に、フンッと鼻を鳴らすと、強めに扉を閉められた。
バタン!!と言う、音が響いたのは部屋だけじゃない。
何度となく。
お母さんは私の胸を締め付けるんだ。

