青空の下月夜に舞う 2



「麻衣」



その時。


後ろから呼ばれた、私の名前。




背中をゾワリと。嫌な空気が撫でた様な気がした。


「あ……」


声の主は、どんどん私達に近づいて来るのが足音で分かる。


そして。
私の横で止まった時。


「遅いから探したし。帰ろう?」


雄大が。私に笑みを向けた。



悪い事は何もしてないのに。
罪悪感。

言葉をどう繋ごうか頭で考えていると、先に口を開いたのは鈴木くんで。


「じゃあ、上野。そういう事だから。また明日、な?」

その声に首を縦に振ると、小さくなる背中を見送る。


角を曲がって、鈴木くんが見えなくなると、


「帰ろう?疲れた?麻衣ボーッとしてない?」

「だ、大丈夫。帰ろ、帰ろ」



聞かれていなかったのか。

直ぐに断らなかった私を、雄大がどう思ったのか。
それだけが気になるけれども、私には聞く勇気がなく。


「ただいまー。夕方はもう寒いな」


家に入り、玄関で二人靴を脱ぎながら、いつもと変わらない雄大に、安堵の息を漏らした。