青空の下月夜に舞う 2



些細な喧嘩だった。




「麻衣、定規貸して」

「嫌だ。雄大部屋探してきなよ」


お母さんが夕食を作っている最中。

夏休みの宿題を片付けようと、私と雄大は食卓台で一緒にプリントとにらめっこ。


今日はチキン南蛮だ、とお母さんがタルタルソースを作っていた。


「貸してよ!」

「嫌だ!雄大すぐ無くすもん」

「いいじゃん!おかげでこの前新しい定規買えただろ!消ゴムも新しくなってるの知ってるしー」


ひょいっと。
私の筆箱から雄大が勝手に、定規を取った。


「バカ雄大!返せ!」

「わっ!麻衣、あぶな……」


――ガターン!!


雄大が椅子ごと倒れた。


「あはははは!ばーか。勝手に人の取るから……」

「雄大くん!!大丈夫?!」


私の声がかき消されるくらいの大きな声を出したのは、音に反応したお母さん。