固定電話も家には2つある。
原嶋と、上野で分けていた。
何故かは……分からない。
「もしもし上野です」
そうやって電話を取るのが。
お母さんの背中を見てると、ひしひしと伝わってきて。
電話を切ると、必ず向けられた冷たい視線。
「麻衣は……私を殴らないわよね?」
「……っ!あ、当たり前じゃん!」
焦った様に口にする、小2の夏休み。
必死に否定したくて、お母さんのエプロンの裾を強く握った、その時だった。
――パシッ
「いやっ!!」
「知恵さ、ん?」
振り払われた手。
怯える様に、私を見るお母さん。
え……?今、私拒否され、た?

