着いたのは、思った通り、慶太郎の家。


バイクの後ろで、気持ちが大分落ち着いて、涙は止まったけど。



気まずさも、ありながら、祐也の後ろに付いていく。


玄関の扉が開けば、中からほんのりいい匂いと、賑やかな声が聞こえてきた。



靴を脱ぎながら、散らかった玄関を見て少しだけ安心した。

玄関、汚な……


それだけの事なのに、変なの。


少しずつだけど、気持ちが落ち着いてくる。

憂鬱なため息ではなく、安堵の息と言うのか。
大きく息を吐きながら、リビングの扉を開けた。




「あ!麻衣ちゃーん!肉、食べよ!無くなるよ!ほら、ほら!」


中に入ると、既に煙たくて、ソファーの前のテーブルの横に、もうひとつ机が並んでいて、ホットプレートが3つ。