こんな状態で、みんなに会うつもりなんかなかった。


響と裸女に、どこまで知られているのか分からなくて。

真実を耳にする事が怖くてたまらない。



「お前顔きたねえ」



笑いながら、Tシャツの裾を、これでもかってぐらいに伸ばして、涙と鼻水でぐちゃぐちゃな私の顔を拭く。



「バイク拭いてるタオルより、ましだろ?」


祐也があまりにも普通だから。


「ほら、みんなお前待ちくたびれてんぞ。焼き肉だ、焼き肉」


引かれる手を振りほどけなかった。



祐也の他に、公園の入り口にバイクが二台居たけど、私がバイクに乗るのを確かめて、先に走り出した。