だから。私は、否定も肯定もしなかった。
「ご飯食べに行った後。電話していい?」
ほんの僅かでいいから。
甘えてもいい、かな。
私が言った言葉に、響は少し眉を曲げたけど、
「ああ」
ため息まじりに。だけど、優しさも感じられて。
響の返事に、俯き、「ありがとう」と告げた。
何をやっても変わらないなら。
今私がどうこうしたって同じこと。
硬直していた体は、いつの間にか、体の力は抜けていて。
「泊まっていけ」
響の言った事に、素直に頷き、誰も居ない内にお風呂を借りると、前使っていた部屋で眠りについた。
響は見たいテレビがある、と。リビングに残り。
私は一人、意識を手放した。
雄大の影がないこの家は。
自分の家よりも落ち着くかもしれない、と。密かに思いながら。

