「お前が……」
口を開いたのは響。
ゆっくり顔をあげた時。視線がぶつかり……瞳に吸い込まれそうだと思った。
「そんな顔をすんのは、親のせいなのか」
ストレートな質問。
回りくどい言い方をしないのが、響らしい。
ここで。
私はどう、話したらいいんだろう。
目を反らしたいけど、反らせない。
眉が。口元が。歪む。
少しでも家の事を話せば……
膝の上に乗せた拳に、更に力が込められた。
ソファーに沈む自分の体が、まるで鉛みたいだと。背中に冷や汗をかきながら考える。
「別に俺は責めてる訳じゃねえ」
響の言葉に、ちょっとだけ肩の力が抜けた。
当たり前だけど、言葉にするのとしないのとじゃ、全然違ってくる。

