「俺は気になれば聞くし、それが聞いてほしくなさそうなら聞かねえよ。人間は晩飯じゃねえ」
当たり前の話を、真面目にしているだけなの?
これは笑う所?
眉を曲げて、響を見る。
すると。
隣に座ってテレビ画面を見ている響は、私の方を向いて言葉を放った。
「言いたくねえなら、言いたくなるまで待つつもりだった。基本は」
視線がぶつかった事で、さっきまで考えていたわふざけた思考が飛ぶ。
「泣いてねぇのに、泣いてる顔してるのは。いくらなんでもほっとけねえ……」
ソッと。
私の頬に。手が伸ばされ。長い指が僅かに触れる。
――ドクン……っ。
胸の音が。
聞こえるんじゃないか、と。有り得ない事を思ってしまう。

