「俺、遠回りとか、無理なんだよ」
一体何を話し出すのだろう。
話の内容よりも先に伝えられた響の想いは、意図がわからないから、理解に苦しむ。
「聞いてもわかんねえ事あるし、でも聞かなきゃ尚更わかんねぇ」
「……何の話?」
視線は合わさないまま。
テレビを見ながら響は話している。
「例えば、晩飯が気になるとするだろ」
「……は?」
「素直に母親に聞くやつも居れば、楽しみにわざと聞かない事もある」
「ああ、うん」
「でもそれは晩飯の時間になれば答えは出るだろ」
「そうだね」
「どんな答えを選んでも結果は同じだろ。要するに」
……こっちが要するに、なんだけど。
何の話なんだか本当に分からない。

