――― その後。



(もうすぐ会える、か...)




私は一人、花壇のふちに座っている。


こんな昼休みでも、冬真君のその一言が気になって、しょうがなかった。



嫌になって、靴で地面をグリグリしていると。




 ドカッ





私の頭を狙ったかのように、サッカーボールが命中した。




「いったぁ~!!」



「ゴメンっ!当たった?

ちょっとボールの方向、ブレちゃって...」




そう私に謝る彼の声には、聞き覚えがあった。




「...剛?」



「えっ...」




懐かしい声に振り向くと、首に黒いネックウォーマーをつけた剛が、立っていた。




「日葵...

ひ、久しぶり...だな。」



「う、うん。」




あの夏の日以来、お互いに避けあっていたからだと思う。


目すらも合わせられなかったから、声なんてかける勇気がなかった。 




「...どうなの?

アイツとは...うまくいってる?」



「うん。

お互い、いい感じかな...」



「そっか...

なら、よかった。」