そんな日々が続いても、冬真君と二人っきりの帰り道が、私を元気にしてくれた。




「もう明日だね、体育祭。

冬真君って、走るの早いよね。」



「あぁ。

おまえはかなりの遅さだからな。」



「冬真君は、足の長さがズルいんだよ。」



「しょーがねぇだろ。

こう見えても一応、ハーフなんだからよ。」



「あっ、そうだった!!」



「そうだったって...バーカ。」



「なっ?! またバカって言った!

バカっていうほうがバカなんだもんっ!!」



「んじゃ、もうこんな『バカ』から英語、教わる必要ねぇな。」



「あっ...

そ、それは困りますなぁ~、小田桐先生。」



「じゃあ、バカは誰?」



「はいっ、私です。」



「プッ...ハハハッ!!

やっぱ、おまえといると飽きねぇわ!」



「っ.../////」



(私は、その笑顔が見れるだけで...幸せだな。)