彼女の正体は、クレアちゃん。


まんまイギリス人の、目鼻立ちの整った、まぁ、まさに美少女という感じの子で。



...そして私の彼氏の、『許嫁』である。




「なんでこんなことがぁ~...」



「俺だって、クレアがこっちに来るなんて聞いてねぇよ...」



「ほんとにぃ~??」




私はいやぁ~な目線を、冬真君にむける。




「おまえ、その顔今すぐやめねぇと、なにが起こっても文句なしってことにするから。」



「はい。」




私は即、もとの顔に戻る。




「レオ~!!」



「げっ?!

この声は...」




後ろを振り向くと、向こうから走ってくるアノ人の姿が。




(やっぱり...)



「あ~あぁ~。

せっかくの二人きりの帰り道がぁ~...」



「マジうっとうしいなぁ、コイツ。」




私と冬真君は二人、同時に肩を落とした。



なぜならこのクレアちゃん、ただの『許嫁』ならぬ、かなりのツワモノなのだ。