いつもの待ち合わせ場所には、すでに由夏と剛が待っていた。




「おはよう!由夏、剛!!」



「おはよー日葵~」




私に笑顔で挨拶を返す由夏とは裏腹に、さっそく剛が噛みついてきた。




「お前、おせぇーよ!

まさか、朝からあの新しい弟とやらと、じゃれあってたんじゃねぇーだろうな!!」




「「弟とやら」じゃなくて、レオ君ですぅー!」




「へぇ~、レオ君っていうんだー!

どんな子なの? 聞かせて、聞かせて!!」




そういって、由夏が目を輝かせる。




「ほーっんと、由夏はかわいいよねー!

誰かさんと違って!!」




「はぁ?なんだと?!

日葵、お前!」



「さ、由夏行こう!

剛なんて、置いてっちゃえ!!」



「こら、待て!!」





そんな剛をおいて、私は由夏に、レオ君の可愛さがどれほどのものなのかを、学校に着くまで熱く語り続けた。