当然の反応だよね。
「朝都さんてあの第一病理の上野さん(浩一の名字)と付き合ってるんじゃないすか?」
「は?それはないですよ」
どこからそんな発想に至ったのか謎だけど。
「仲良さそうだったのに、勘違いか」
と溝口さんは考えるように首を捻っている。
「勘違いです。ねぇ行きません?」
せっかちに聞くと、
「なんかダブルデートみたいっすね!もちろん行きます♪」
やった。
―――
「と言う訳で、涼子と製薬会社のお兄さんと文化祭行くことにしたから。
あのマウスのストラップくれたお兄さんよ?ちゃんとお礼言ってね」
黒猫のおうちでお勉強。休憩時間に私はそう報告した。
行くことを素直に喜んでくれるかと思いきや、
「その製薬会社の営業マンと仲良いの?」
と面白く無さそうに口を尖らせてる黒猫。
「仲が良いってわけじゃないけど、昔からうちの研究室が贔屓にしてるメーカーだから」
「ふーん」
これはもしや……
何よ。
いっちょまえにヤキモチなんて焼いちゃって。
私には“倭人”って言う黒猫が居るんだから。
新しい猫…以外もだけど、
いりませんよ~
そう言う意味でわざとぐしゃぐしゃと黒猫の髪を乱暴に撫でると、
黒猫はくすぐったそうに笑い、
「朝都が来てくれるならいーや」
とすぐに機嫌を直す。
私の可愛い黒猫。