「高校の文化祭なんて久しぶり~。大学の文化祭はうちら毎年参加してないしね。


ても、あんたは黒猫くんとラブラブ回れるからいいけど、そしたら私一人じゃん。


そうなったら寂しいし」


そうだと思ってチケットを二枚持ってきた。


「浩一でも誘わない?三人で行こうよ」


「は?浩一?ダメダメ。あいつを黒猫くんに近づけちゃだめ」


「何でよ」


意味が分からず私が眉をひそめると、


「何でって、あんたねぇ」と涼子が目を細めていたときだった。


「こんちわっす!」


またも軽い挨拶で製薬会社のお兄さん…もとい溝口さん登場。


相変わらず軽いなぁ。


「あ、こんにちは。溝口さんちょうど良かった。イチゴ食べます?」


と涼子が勧めて、溝口さんはにこにこ。


「あざーっす!!(ありがとうございます)」


涼子、甘さには程遠いかもしれないけど、恋は案外近くに落ちてるかもよ?♪


 !


突如閃いた。


「溝口さん、来週の土曜日開いてません?高校の文化祭、涼子と私一緒に行くんですけど(勝手に決めた)溝口さんも一緒に行きませんか?」


溝口さんにちらしを見せると、


「へぇ~、もうそんな時期ですか。でも何で高校?」と溝口さんはチケットをしげしげ。


「朝都のカレシが居るからです」と涼子はにこにこ説明。


「へぇ。学校の先生ですか♪」


「ううん。生徒の方♪現役のピチピチ男子高校生17歳。


可愛さと生意気さ200%☆」


「高校生!?」


それにはさすがに溝口さんも驚いたように目を丸めた。