「付き合ってない……」


と思う。


だって私は黒猫の告白に何も答えていない。


そもそもあれは“付き合って?”と言う愛の告白なのだろうか。


じっくり考える暇もなく、


あのあと何だかキマヅくなっちゃって、正直勉強どころじゃなかったし。



時間を早く切り上げて、帰ってきちゃった。


って言ってもキマヅイのは私だけ。


黒猫は悔しいほどいつも通りだった。







黒猫は―――



いつも通り。





疲れたのか、時折大きなあくびをしながら腕を上げ、のんびりと伸びをしたり、


勉強に飽きたのか、ノートのはじっこに落書きをしだしたり


自由きままな様子が




私の目には



やっぱり黒猫は黒ネコに映る。




自由気まま



問題集を解く合間に、勝手に席を立ち上がり飲み物取りに行ったり(ま、いつものことだから気にしませんけどね)


おいしそうにコーラを飲んだり(私にも勧めてくれたケド)


女のそれとは造りも違う男らしい喉元がごくりと上下するのを見て、





私は、黒猫が“男”であることを再認識させられた。