黒猫はうっすらと目を開けると、最初はねぼけまなこで目をしばしば。
「起きて」
もう一度揺さぶると、ぱっと大きな目を開いた。
ガバっ
勢いよく起き上がると、
「……あ、おはよー……ございます」
と寝起きのかすれ声で何とか答える黒猫。
「…おはよ」
私も何とか答えると、
「おはよーございます」もう一度呟いて黒猫は額を押さえながら俯いた。
「……ごめん、昨日は帰るつもりだったんだけど…」
「…うん。別にいいけど」
「…帰ろうと思ったら、鍵…どこにあるか分かんなくて…」
「うん」
「探してたら朝都に名前呼ばれて―――…」
夢の中で呼んだ。
私の可愛い飼いネコの名前を―――
「べ、別に変なことしてませんから」
黒猫は慌てて付け加えるとそっぽを向いた。
逸らした横顔がほんのり色づいていて、その色っぽい顔にまたも“男”の顔を見る。
なんなのその反応。
可愛すぎだ。
ちくしょうめ。
スレてないって言うのかな―――
髪は真っ黒なのに、心の中は純白。
生意気な口調とは反対で。
そうゆうのに一番興味がある年頃だろうに、
大切にされてるって実感できた。



