「五歳年下の男子~!何それっ。なんてオイシイ状況なの!
ってか高校生とどうやって知り合うのよ。私は同じ大学内でも良い男とめぐり合えないってのに!」
涼子は安っぽい木のテーブルをバンっ!と叩いた。
その節に小皿からえいひれが飛び出しそうになって、私は慌ててそのえいひれに手を伸ばした。
この居酒屋、私の大好きな日本酒は種類も少なくて味もまぁまぁだけど、えいひれはやたらと旨いの。
「おい!いい男と巡りあえないなんて言うな!ここに居るだろが!」
浩一の言葉はスルーして…
「オイシイかぁ??
どこで知り合ったって私、言ってなかったっけ?カテキョのバイトしてんの。
相手、そこの教え子」
「カテキョと教え子!?何だか危ないDVDに出てきそうなシチュエーションね」
涼子は大真面目。
だよね。私だってそう思う。
「でも未成年でしょ~?それはさすがにマズいって言うか」
「だよね。私、犯罪者だわ。せっかくいい企業から内定もらったばかりなのに、取り消されたらかなわないよね」
「あんたって何でそんな冷静なのよ!考えるとこそこじゃないでしょ!
高校生のノリについていけんの!?」
「ってか付き合ってるのか!?」
涼子と浩一は聞きたいことを一気に早口にまくし立てた。