黒猫は研究棟の入り口で僅かに猫背になってしゃがみこみ、ぼんやりと外を眺めていた。
黒い猫が丸まっているように見えるのは私だけ?
「お、お待たせ…」
走っていくと、黒猫が目を細めてちょっと笑う。
「息切れてんじゃん。そんな急がなくたって良かったのに」
い、急いで行かなきゃ黒猫のことだし?またどこかへふらっと行っちゃうかもしれないし。
何せ相手はネコだから。
ちょうちょなんて見つけて、追いかけていっちゃったら……
「走ってでも早く会いたいと思ってくれたの?」
黒猫が意地悪そうに笑って、ポケットに手を突っ込みながら立ち上がる。
高い場所から覗き込まれて、意味もなくドキ
そう、こいつはネコじゃなくて―――“男”だ。
「にゃ~」
近くを野良猫が声を上げて通っていった。
「あ、あんたのことだから、可愛い子ちゃん(ネコ)とか見つけてナンパでもしてたらどうかと思って」
「なにそれ」
黒猫は声をあげて軽く笑った。
ホントは
走ってでも早く会いたかった
黒猫に



