私たちは五歳と言う年齢の壁もある。



五年ぐらい何よ。



五年早く生まれたから何よ。



そう思うようにしても、現実はそう甘くないのかも。


逆だったら何も悩まなかったのに。



でも私はその壁の方を選んだ。


それがどれだけ高くても



「ばぁか。俺は親父に盗られたくないって思ってンの。



この鈍感女。それでもこんな鈍感女を好きになった俺も大概バカかもなぁ。




ちくしょう」




ちくしょう。



はこっちの台詞だよ。




黒猫だと思ってたのに、黒猫のくせに……



いつの間にいっちょまえに“男”になってんのよ。





「今度、猫の飼い方を勉強したら?せんせー。冬場はいいぜ?



あったかいから抱いて眠れば?」



子供だと思ってたのに、いっちょ前に“大人の男”の顔して。



甘い泣き声をあげて、私の心を歩き回る。




「飼われるのっていいかも。可愛がってね」



にゃ~



猫が鳴いた気がした。



手懐けると、とことん甘えてくるのが猫っていうものだ。





でも




あの日ネコを拾ったのは私じゃなく、もしかして倭人だったのかも。


甘い言葉で誘われて、彼の暖かい手のひらで撫でられて



抱きしめられて



キスをされて






思い切り恋をした。





もし未来の私が今の私に何か言うとしたら、




「やめなさい」





ううん、そんなことは言いたくない。







「倭人と居れて幸せだったよ。ありがとう」





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