「朝都さん独り暮らしでしたよね。その必要なしか」
溝口さんはにししと笑って雑誌に目を向けている。
「………私たちは…まだそーゆう関係じゃ…」
何正直に答えちゃってんの私。
でも
溝口さんは男だし、その辺の心理が知りたいって言うか。
トラネコりょーたくんにはバカにされたけど。
「へー、まだですか。いいじゃないスか、清い関係♪
大事にされてるって感じで」
溝口さんは大したことだとは思ってないのか、嫌味じゃない笑顔を浮かべる。
「あ、でも!俺だって涼子さんを大事にしてますよ」
「分かってます。だって付き合ってそーなる時間て大体平均して一ヶ月ぐらいでしょう?」
「人がどうか知りませんけど、俺自身も今までそんな感じだでした。
でもひとそれぞれペースってものがあるし」
溝口さんはちょっと考えるように首を捻り、何を思ったのかその雑誌を私に渡してきた。
「?」
首を捻ってると
「差し上げますよ。二人でそれ見てノリみたいに行けたらどうスか?」
ノリ…??
「それとも黒猫くん、付き合ったのが朝都さんがはじめてとか??
チェリーくんスか♪♪」
ここに来て、溝口さんはちょっと下世話な感じでニヤリと笑った。
溝口さんは黒猫のことをあまり好いてないご様子。
黒猫も溝口さんのこと気に入らないっぽいし、どっちもどっちか。
「その想像はハズレですよ。
すっごい可愛い彼女がいたんです」
私は自分が買った女子高生向けの雑誌をぎゅっと握った。



