頬に手を寄せられると口付けが降りてくる。
口付けの合間に
「ちょっと寒くなってきたね」と照れ隠しで言うと黒猫は無言で私を抱きしめてきた。
「俺があっためるよ」
耳元でそう言われて、再び口付けが降りてくる。
さっきの触れるだけの優しいキスじゃなくて、いつかした大人なキス。
私の髪に手を入れながら、何度も口付けを交わし
夜の公園に二人の影が完全に重なって伸びている。
黒猫の舌はやっぱり熱くて、
熱でもあるんじゃないか。大丈夫だろうか、この子は。
とちょっと思ったりしたけれど
ネコって体温高いって言うし―――
冷え切った私の体を
これから黒猫が抱きしめて温めてくれる。
そう考えるとあったかくなる―――…を通り越して熱くなる。
何せ相手は若いし、汗出るぐらいかも…
なんて…ああ、またもこんなところでバイオハザードウィルス…
「何考えてんの、おねーさん」
黒猫が意地悪そうに聞いてきて
「やらしーこと」
私は黒猫のカットソーを握って、僅かに背伸びをすると黒猫にキス。
黒猫が微笑んで私の頬を撫でてくる。
そのときだった
TRRRRRx2
何故“x2”かって??それは文字通り音が二つあったからよ。
つまり二人のケータイ同時に電話が掛かってきて
私と黒猫は思わず顔を見合わせて、それぞれケータイを取り出した。
「涼子からだ」
「…こっちは親父…」
ああ…また!?



