その後、おねーさまは普段通り。


涼子とペルシャ砂糖さんと楽しくお喋りをしている。ときどき「キャハハ!」と明る過ぎるぐらいの笑い声を挙げて。


無理してる…?


そんな心配をしながらビールを飲んでいると


TRRRR


私のケータイが鳴った。


着信:黒猫倭人


え!!?


何で!…って恋人同士なら電話ぐらい普通にするっつうの。


それでも緊張して電話に出ると、






『もしもし朝都?ごめん、急に。


今、朝都んちの前に居るんだけど、ちょっといい?』





遠慮がちにそう言われて、


へ、部屋の前!?


私はケータイを耳に当てたまま玄関に走って行った。


「ちょっ!どうしたのよ、朝都~」


突然の私の奇行を怪訝に思ったのか涼子の声が聞こえたけれど、それに何も答えずに


ガチャッ


扉を押し破るような勢いで開けると、


同じようにケータイを耳に当てたままの黒猫が




大きな目を開いて私を見ていた。