ペルシャ砂糖さん…??
今日おうちに来てたんだ…
てかペルシャ砂糖さんも居るんだったら手土産でも持ってくるべきだった!
気の利かない嫁(候補)だと思われたらどうするのよ!
「何でこのこと早く言ってくれなかったのよ!」と言う意味で黒猫を見上げると、黒猫は素知らぬ顔でぷいと顔を背ける。
「だって言ったら朝都、気ぃ遣うだろ?」
黒猫…確信犯だな。
ペルシャ砂糖さんは顔にぴったりの甘いストロベリー柄のエプロンをつけてにこにこ。
エプロンまで甘い。
その背後からにゅっとみけネコお父様も顔を出して私はビクッ!
まったく気配に気付かなかった。
さすがネコ。
「朝都ちゃん♪待ってたよ~♪」
「ご、ご無沙汰してます!」
私は…未だにみけネコお父様と顔を合わせるときんちょー。
「朝都ちゃん、ケーキ買ってあるの。倭人くんもお夕飯の前にお茶しない?」
とペルシャ砂糖さんが気を遣ってくれたけど、
「あとでいーです」
と黒猫は相変わらずそっけなく言って廊下をスタスタ。
「こら、倭人!もっと愛想良くできないのか?」
みけネコお父様が咎めるも、黒猫は不機嫌そうに
「うっせぇな」と呟いて、私の手を引くと
「部屋に行ってる。覗くなよ」とみけネコお父様を睨んで、またも歩き出す。
どうしたんだろう…今日の黒猫、めずらしく不機嫌??
「すみませぇん」と言う意味で慌てて頭を下げ、私は黒猫に腕を引かれるまま。
部屋に入って扉をきっちり閉めると、黒猫は乱暴に鞄を放り投げベッドに腰を降ろした。
ちょっと疲れていそうな表情を浮かべて額を覆い、次の瞬間後ろに手をついてため息を吐いた。
やっぱり今日の黒猫…変。
「あんたどうしたの?具合でも悪い…」
と言いながら黒猫に近づくと、距離を測り間違えて私の足が黒猫の足にぶつかった。
それほど強くぶつけたわけじゃないのに
「いっ!!」
黒猫は膝を押さえて背を丸めた。



