「それはぜってぇない」
すぐ近くで聞き慣れた低い声が聞こえて、その声の方を振り向くと、
黒猫、倭人がいつものスタイル…ポケットに手を突っ込んでこっちをじっと見下ろしていた。
「「ぅわぁ!!」」
な、何で黒猫が!?
私とトラネコくんは声を揃えて椅子から転げ落ちそうになった。
「な、何であんたがここに居るの?」
落っこちそうになってる私をさりげなく助け起こしてくれて、
「今日帰るとき亮太が朝都の大学名と学部聞いてったから、
“まさか”と思って来たワケ。
そしたら案の定」
黒猫が額を覆ってトラネコくんを睨み降ろす。
トラネコくんは「えへへ」と笑ってごまかしているけど。
「お前遠征してんじゃねぇよ。
人の彼女の大学まで狩りに出かけるとか」
な…遠征!?狩りとな!!
しかし黒猫…いつからここにいたんだろう…
ちょっと気になったけど、この様子じゃ深くは聞いてなかったに違いない。
てかこの子わ…また大学内に入り込んで。
ここは遊ぶ場所じゃないわよ。
でも
「ほら、帰るぞ。朝都に迷惑掛けんな」
黒猫は黒猫なりに気を遣って…
「ここは俺の縄張りだ」
気を…
「勝手に入り込んで狩りしてんじぇねぇーよ」
ネコたちの縄張り争い…?
てかここはあんたの縄張りでもなーい!



