「倭人の秘密ばっかりバラしてないで、キミもがんばりなさいよ」
私が指差すと、トラネコくんはまたもちょっと苦笑いで「えへへ」と零す。
まぁ?考え方が子供で可愛いんだけどね。
しかし
ホテル―――かぁ…
考えたことなかったなぁ。なるほどね…
って私!真面目に考えんなよ!
私が一人、バイオハザードウィルスと闘ってる横でトラネコくんはのんびり頬杖。
「まぁ果凛のこともあるけどさ…倭人もさー、
情が深いヤツだから結構付き合った女を大切にするって言うか…
女だって最初の男を忘れられないってことあるだろ?
こんなこと言いたくないけど、葵ちゃん、何を考えてるか分かんないふしがあるし?
変なことにならなきゃいいけど」
トラネコくんの言葉を聞いて私は目をキョトン。
“変なこと”―――……?
「だ…だってあの場は偶然会ったわけだし」
「それは確かにそうかもしれないけど、葵ちゃんもさー、倭人のこと思い出して
別れるんじゃなかった、て思うかもしれないじゃん。
再会するとさ、元カレ元カノって存在は結構大きくなるのよ。
気持ちが大きければ大きいほど…
何て言うか、思い出だけが美化されちゃってさー
倭人、葵ちゃんと別れてからも好きそうだったし」
それって―――
黒猫がロシアン葵ちゃんのことをまた好きになるかも―――って…
こと?



