トラネコくんはふわふわへらへら軽いばかりかと思いきや、
時々…凄く真剣になる。
私はこの真剣な顔されると、ちょっとどうしていいのか分からなくなる。
黒猫とは違う…これがトラネコくんのペースってやつなんだろうけど…
「ま、まぁ?ふわふわ可愛い系のカリンちゃんとはタイプが違うし?」
「そゆんじゃなくて…」
トラネコくんはちょっと考えるように項垂れて、う゛~ん…とまたもいつもの調子で唸る。
じゃ、どう言う意味だよ。
でも…
ちょっと意外だった。トラネコくんは女の子大好きだし。
男以外だったら全員可愛いく見えるんじゃないの?←それも問題だ。
トラネコくんは再び机に突っ伏して、でも腕の中からちらりと私を見上げてくる。
「何でだろうね?」
なんだよ、その可愛い上目遣いは…
てか私が聞いてるんですけど。
私はちょっと吐息をついてタバコを取り出した。
一本火をつけて、
「ロシアン葵ちゃん……すごくきれいな子だよね。バイオリンが趣味なお嬢様だし?」
「アサちゃんの方が可愛いよ」
トラネコくんはまたもつまらなさそうに口を尖らせて、
褒め言葉と受け取っていいのか私はちょっと迷った。たぶんまた冗談だろうな。
「可愛いし…エロ♪」
またも上目遣いで言われて私は目をぱちぱち。
は…エロとな…
「白衣ってさ~女医とか連想するよな~?」
またこの子は…
やっぱりただの女好きじゃない。しかも何かアブナイ妄想してるし。
「アサコ先生。
俺の不治の病を治してください」
キリッ
真剣な顔できゅっと両手を握られて、私はその手を振り払った。
「寝れば治る」



