ロシアン葵ちゃんはちょっと興味深そうに身を乗り出し、
「倭人全然変わってないねー。あ、背は伸びたか」と明るく笑う。
お嬢様なイメージがあったし、実際倭人からもいいとこのお嬢様って聞いてたから、もっと大人しい…いやお高く留まってるつんつんした子を想像していたら、
ちょっと拍子抜け。
結構明るい感じの子だ。
「お姉さん大学生だったんですね。倭人、可愛い年上捕まえてやるね」
と私の方まで話を振ってくれてにっこり笑顔。ひと懐っこい笑顔と態度が好感を持てる。
言葉に棘があるとか最初思ってゴメンナサイ。
「ねぇ倭人ー、あんた今でもサッカー続けてるの?」
ロシアン葵ちゃんが何気なく聞いてきて、黒猫はそこでようやくゆっくりと顔を戻した。
「やってない。そっちは?
まだバイオリン続けてるみたいだけど」
ロシアン葵ちゃんはその質問には答えずに、
「何でやめちゃったの?あんなに好きだったのに」と話題を変える。
ロシアン葵ちゃんは黒猫が怪我でサッカーを続けられなくなったことを知らないようだ。
またも興味深そうに聞いてきて、黒猫は
トン
不機嫌そうにマグカップをテーブルに置いた。
でもロシアン葵ちゃんはそんな不機嫌黒猫の態度に気にした様子もなく、
その話題は黒猫の中でタブーだと言う事に気付いたのか、軽く肩をすくめて
「あんた朝帰り~?んで彼女と朝ごはん?やるね♪」
と、またも面白そうに話題を変える。



