そのあとは結構くだらない話をしていた。
正直、高校生の子と何を話せばいいのか分からなかったけれど、トラネコくんは慣れた調子であれこれ私に話題を振ってくれる。
大して実もない世間話なのに私は大いに笑った。
そんなときだった。
「あれっ?リョウタ?」
黒猫と同じ制服を着たメンズ数人がトラネコくんに声を掛けてきた。
「おー」トラネコくんはいつもの人懐っこい笑顔。
トラネコくんのクラスメイトかな??
メンズたちは私の方をちらりと見ると、
「リョウタの新しい彼女?」とにやにや。
「ちがっ…」
またも私は否定…しようと思ったけど、
「さっき財津と果凛ちゃん見たよ。あいつらも相変わらずラブラブだな。
お前も可愛い彼女が居て羨ましいぜ」
とメンズたちが「にしし」と笑う。
相変わらず―――ラブラブ……?
トラネコくんはちょっとだけ目を細めてカフェオレに口を付けると、
「だからあいつらは違げぇって。
それにこの人、俺のじゃなくて倭人の彼女」
ちょっと不機嫌そうに説明してメンズを見上げる。
メンズたちは珍しく不機嫌そうなリョウタくんの様子よりも、
“倭人の彼女”と言うところに反応して
「何!財津の…!?あいつの!」とさっきの女子と同じ反応。
「あ、俺知ってる。こないだ文化祭で見たおねーさん」
一人が私を思い出したように頷いたけど、
「俺てっきり果凛ちゃんと付き合ってるかと思ってたのに。
あいつら仲良いよなー」
メンズたちはまたもその話題。
仲が良い。付き合ってる―――
はたから見たらそう見えるんだ―――……
お似合いの……二人だよね。まったく違和感ない。
そのことにズキリ…心臓がきゅっと縮まって胸を押さえていると、
「だから違げぇって」
トン
トラネコくんが少し乱暴にカップをテーブルに叩き付け、
私とメンズたちはびっくりしたように目をぱちぱち。
だって
トラネコくんがこんな風に怒ってるのはじめて見たから―――



