「俺が朝都を好きになった理由



そゆうとこ」







急に言われて私は目をぱちぱち。


「つまり…!っつか言わせんなよ!こんなこと!」


黒猫は顔を伏せながら片手で顔を隠すようにしている。だけどちらりとその腕の向こうから見えた耳はやっぱり赤くて、




「あんた中身サバサバしてて、どっちかっつうと男みたいで…いや、男通り越しておっさんみたいで、最初楽だったけど、


何かときどきすっげぇ女らしいとこがあって、お揃いとか発想もそうだし。




そこが可愛いって言うか。



もぉ何言っちゃってンの俺……」



恥ずかしそうに黒猫は益々俯いて首をうな垂れる。


さっきの寝癖がまだ直ってない。黒い襟足から覗くうなじが…


可愛い。




「なんつぅか、守ってあげたくなるんだよね。トキドキ凄く。


俺より年上のくせに、男みたいな性格してるくせに。


俺が―――…って気にさせられる」




守るって黒猫が?番犬もとい―――それじゃ番ネコだ。


聞いたことないし。


ネコに守られる私。




でも



それもいいかも。