「オフザケが過ぎると倭人から怒られちゃうわよ?早く倭人の居る場所へ連れてって」


「倭人に怒られることなんて慣れてるさ~」とトラネコくんはへらへら。


でもちょっと真剣な顔をすると、





「まぁ?さすがにあいつの女を奪ったことはないけど」





女!奪う…とな!


「遊び人め。キミはこーこーせーでしょ!」


そんなやり取りをしているときだった。


「あれ?亮太ジャン?帰ったんじゃないの?♪」


女子の一団がわらわら。


かなりスカートが短くて髪の色も明るい。化粧もされていてちょっとギャルっぽい一団。


その一団が私の方を見ると


「…その人誰?」と怪訝そうな顔。うわっ…怖っ


女子高生に何ビビってんの!と思ったケド、だって明らかにこの子たちの視線が敵意を含んでいたから。


トラネコくん狙いだな…


ここは早く誤解を解かなくては!


「わ、私は……」






「この人?俺の彼女☆」






ぎゅっ


トラネコくんは私をさらに引き寄せてあっさり。


ギャァ!何言っちゃってンの!!


「うそっ!亮太の彼女!?」


「ヤダー!!!」


トラネコくんは思ったとおりやっぱりモテモテ。女子の黄色い叫び声を聞いて、


私が「ヤダー!」って叫びたいよ。





「ちがっ……私は―――」言いかけたときだった。







「それ、俺の彼女だから」







トラネコくんの背後からぬっと現れた


―――黒猫が不機嫌そうにトラネコくんの肩に手を置いた。




倭人―――…!