「で…でも…私が言うのもなんだけど、あんた良く言ったよね。
私が断るとか考えなかったの?
断られたらキマヅくなるとかちょっと考えなかったの?
家庭教師の契約は半年残ってたわけだし」
ちょっと気になったことを聞いてみると、
「そりゃキマヅくはなるだろうけど、そんなん考えてたら前に進めないじゃん。
俺が一番したくないこと。
『あのときこー言ってれば』『あのときこーしてれば』
って後悔。
それだけはしたくない。
気付いたら前進あるのみ」
きっぱりはっきりと言い切った黒猫は―――
今まで見てきたどんな男よりも男らしく“大人”に見えた。
その清々しい横顔をじっと眺めていると、
「まぁー断られても一回や二回で引くつもりもなかったしね。
OK貰うまでがんばるつもりだったから長期戦を考えてたけど、
意外にもあっさりOK貰って、よっしゃぁ!!ってまたもガッツポーズ」
黒猫はそのときのことを思い出したようにガッツポーズを小さく作って、頬を緩めた。
「でも危なかった。
しつこく迫って朝都が家庭教師辞めちゃったら、
俺カテキョクラッシャー記録またも更新してしまうところだった…」
またも黒猫はしみじみ。
カテキョクラッシャー…って気にするところそこ!?
色々ツッコミどころ満載だったけれど、黒猫の本心を聞けて
良かった。



