「―――…と言う訳デス。
以上デス」
黒猫は恥ずかしそうに締めくくってまたもちょっと顔を逸らす。
私はそんな恥ずかしそうな、照れてる黒猫の方に身を乗り出して
「じゃぁ私に告白したあのタイミングも、特に深い意味はなかってこと?」
黒猫はちょっと顔を戻すと、
「まぁねー。好きだと自覚したときはあんたにはカレシが居て、
さすがに略奪愛とかはなー…って俺なりに考えて…」
黒猫はちょっとニヤリと意味深そうに笑って目を細める。
考えて……何よ。
思わず身を引くと
「俺、毎日夜空にお祈りしたんだ♪
“先生が早くカレシと別れますよーに”って」
夜空にお祈りって、やること可愛いケド
内容が可愛くない!
もはや黒魔術だ。
「んで、俺の呪い…じゃなくて、お祈りも通じたのか朝都がカレシと別れたって親父から聞いて、
チャンス到来!とばかりにガッツポーズ。
でも執行猶予もあるしな。気持ちがそいつに残ってたらイヤだったし二ヶ月ほど待ってみた。
ネコに“待て”は辛かったぜ…」
と黒猫はしみじみ。
執行猶予ってあんたね…
しかも『辛かったぜ』って可愛い顔しておっさんみたいな表情で言うんじゃないわよ。
「まぁ恋人と別れたばかりだったら気持ちの整理とか色々あるだろーし」
「整理って…あんたそんな引越しみたいな感じで言ってんじゃないわよ」
ま、まぁ?引越しみたいなものか。
「俺だって元カノと別れたばっかりのときは亮太の部屋に入り浸ってコーラを飲みながら
『やってらんねぇよ。もう女なんていらねー』とかほざいてたからな。
でもその二年後に好きな人…朝都ができたし」
黒猫は軽く笑って、その口から「にゃはは」と聞こえた気がする。
コーラ片手に『やってらんねぇ』て、あんたやっぱり……おっさんよ!



