Chat Noir -バイオハザー度Max-




黒猫は強引に笑って私の手を握ったまま一つ一つを整理するように言葉を選びながら話し出した。



「そしたらさあいつ


『倭人はあたしが遠くへ行っちゃっても寂しいと思わないの?』って怒り出して。


そんなこと思ってないし、俺の中にもジレンマってのがあって


でもその気持ちをうまく言葉にして口にできなかった」


黒猫はいつも口数が少なくて―――…


でも、その一言一言はいつも私に台風並みの影響を残していくんだよ。


黒猫1号…


じゃなくて、ハリケーンの名前は





“YAMATO”




※ハリケーンには人の名前をつけますよね(苦笑)



「そんでもって俺はまだ具体的な進路とか決まってなかったから、余計焦ってたんだよな。


はっきりと将来の夢があって、それに邁進するあいつの姿を目の当たりにして。




んで、喧嘩して―――別れちゃったんだ」



黒猫……


「俺もバカだよなー。


別れたあとも結構あいつのことが気になって。


最初はそんなに好きじゃなかったのに、いつの間にかすっげぇ好きになってたのかも。


そこから三ヶ月ほど悩んで、


でもこのまま終わりにしたくなくて、三ヵ月後思い切って


『もう一回やりなおしたい』って言ったら


あいつ





『もう遅い』って一言。



どうやらシトウ ヒビキと付き合えそうな雰囲気だって。


俺がもう少し早く気持ちを伝えていればやり直せたかもしれないのに。


ホントにバカだった…」



黒猫はそう言い切ると、私の手を一層強く握って私を真正面から見つめてきた。


「遅い、って何?俺がもっと早く伝えていれば何か変わったのだろうか。



あのときは気持ちを伝えるのが遅くなって後悔した。


伝えたいこと―――その場で言わないと





いつでも俺の大切な人はこの腕からすり抜けていく。




そう、気付いたんだ。



気持ちに気付いたら、あれこれ悩むんじゃなくて


突進あるのみじゃね?




だから朝都に告ったときも、あのとき言わないと一生カテキョとその教え子って言う関係になりそうだったから。




だから言った。





後悔したくなかったから」