私は―――卑怯だ。
浩一の最後の言葉を聞いてしまうと、もう二度と友達には戻れない気がして
逃げるように準備室を飛び出した。
逃げたってどうしようもないのに―――
―――…どうしよう
涼子に相談……できるわけないよ、こんなこと…
でも
『黒猫くんを浩一に近づけちゃダメ』
涼子のある日の言葉を思い出す。
涼子は―――気付いてたんだ。
『出ないで』
同じように浩一からの電話に出ることを嫌がった黒猫。
あのときの真剣な表情。
倭人も―――気付いていたに違いない。
黒猫なんて浩一とそんなに会ったわけじゃないのに、すぐに見破ったってわけか。
私だけが気付かず。
ホント……
私ってバカ。



