私はひたすらにバイオハザードウィルスと闘いながら、黒猫の挑発的とも呼べる態度に始終ドキドキ。
何だか無駄に体力を使った気がしてぐったりと家に帰りつく。
飼い猫も一緒。
狭いキッチンに二人で並びながら、ぎこちない手付きながらも私の料理を手伝ってくれる黒猫。
黒猫は料理に慣れてないのか、不器用そうにハンバーグのタネをこねくりまわしている。
どうやら料理は苦手みたい。
「てか倭人、あんたお父様のお店継がないの?」
ちょっと気になって聞いてみると、
「継がない。俺の高校、一応国際科」
そうだったな…
「ってことは将来海外で仕事したいの?外資系とか?」
ちょっと聞いてみると、
「まだそこまでは。一番家に近い公立校があそこだったから選んだだけ。
朝都はさー。俺の年齢のとき、具体的な目標もう決めてた?」
突然そう聞かれて私は目をぱちぱち。
「具体的…かどうかは分からないけど、医学研究できればどこでも…とは考えてたな」
「そっか…
そろそろ進路相談の三者面談とかあるし。志望大学考えなきゃいけないんだけどね」
そっけなくそう言って僅かに目を伏せる黒猫。
黒猫は―――迷ってる…?
将来を考えている。
もしかして
ハンバーグは口実で、
将来についての進路相談がしたかったのかもしれない。



