そ、そんな可愛いまなざしでまばたきされると!
私は黒猫から奪ったたまねぎをかごの中に入れた。
「ホントだよ。
タマネギを切ると涙が出るのは、タマネギにアリルプロピオンが含まれているからで、
タマネギを切った時に硫黄化合物(硫化アリル)が気化して、目や鼻の粘膜を刺激して涙が出るの。
ネコが摂取すると成分に含まれるこの硫黄化合物が中毒を引き起こし死に至るってワケ」
淡々と説明をすると、
「あ、はい」
と黒猫は目を点。
しまったぁ!私としたことが…
またも色気のない説明を…
こんなこと知ったって何の得にもなんないよ↓↓
でも黒猫は気にしてない様子で、
「人間の雄には大丈夫だよ。タマネギ…料理して。
食いたい」
料理……
食いたい…
と私の手にそっと手を伸ばしてくる。
意味深に動く黒猫の唇が―――やけに色っぽく見えるのは
バイオハザード変態ウィルスのせいなんかじゃない。
黒猫は
黒いネコじゃなくて
人間の雄だ―――



