黒猫…
ううん、倭人
好き
大好き
子供とか大人とかあんたは気にするけど、あんたは早く大人になりたがってるけど、
私はそんなの望んでなくて。
同じ立ち位置を望むのはあんただけじゃなくて―――
『間もなく2番ホームを快速列車が通過します。危険ですので白線の…』
場内アナウンスが流れて黒猫側のホームを快速列車が通過しようとした。
ゴォオ…
列車が近づいてくる音が聞こえてくる。
黒猫はケータイを耳に当てたまままっすぐに私を見て、口を動かせた。
黒い髪の先が風で揺れる。
場内アナウンスと列車の音で黒猫の声は聞き取れなかった。
ただ、口元が小さく動く。
「あい らぶ ゆー」
ゴォオ!
まるでヒステリックな女の叫び声のような音を立てて列車が通過した。
線路を挟んだ向こう側のホームに
倭人の姿はなかった―――



